ブックタイトルgakuto

ページ
5/326

このページは gakuto の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

gakuto

iii 昭和二十年(一九四五年)八月六日広島市は原爆攻撃を受け、一瞬の中に広島市は潰滅した。そして多くの犠牲者をだした。以来、六十二年の刻を経たが、未だに放射能症害で苦しんでいる人たちがいる。被爆者たちも高齢化が進み、被爆体験者も減少している昨今である。私は当時、修道中学三年(一五歳)で広島陸軍兵器補給廠に、学徒動員中に被爆した。修道中学生も多くの死者を出している。親しい友人を失い、未だに童顔の友が救いを求めている夢をみることがある。私は八月六日の夕暮に、生まれ故郷の島瀬戸田町に向かって、炎上する広島市を背に避難した。爆風で倒壊された家屋を乗り越え、焼落ち煙の燻っている跡を東に向かった。こうして夜半に山陽本線に辿り着いた。鉄道線路の路肩には傷つき倒れた人や、死者が延々と横たわる中を歩いた。逃げる途中で助けを叫ぶ声が聞へても、どうする事も出来なかった。後髪を引かれる忸怩たる思いを抱いて広島を後にした。一日中広島市内を逃げ廻り脱出の道を探した。放射能塵を浴びたのか、私も長らく放射能症害で苦しんだ経験があ