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99 原爆体験記「ピカドン」下げたあの日のこと……今の若い人達にいったら、何というでしょうか? 無知で善良な市民にどうぞもう、こんな思いを味あわさないでほしい!!楠原登美枝(当時高女一 楠原 敬子の母)原爆体験記「ピカドン」平山 雄晤 昭和三十年代まで広島の人達は、原子爆弾のことを「ピカドン」と言っていた。地球上で初めて原爆を体験した者達が、ピカーと光った瞬間にドーンという爆風に襲われた状態から、誰言うとはなしに「ピカドン」と言い始めた言葉だ。 当時十二歳、広商の一年生であった私は、日本の勝利を確信し最後の一人になっても戦い、日本の国のために身を捧げる事のみを教え込まれていた。「勝つためには」とか「欲しがりません勝つまでは」の合言葉で、毎日毎日軍人勅諭の唱和と、配属将校による教練の授業があった。七月から学徒動員令により、焼夷弾爆撃による火災発生から類焼を防ぐために、決められた範囲内の建物を倒壊させその整理作業に出動するな